山のコーヒー エスピリトサント クラシックテイスト
世界最大のコーヒー生産国ブラジル。一般的に地平線まで広がる大平原でのコーヒー生産風景を想像することが多いですが、日本の22.5倍もの広大な土地は、 生産の面でその多様性を見せてくれます。エスピリトサント州の南部の山岳地帯で栽培されるアラビカコーヒーの生産地区もその一つです。ブラジルでは山岳部で採れるコーヒーを平地のものと対比して”山のコーヒー”と呼び、区別して認識されています。エスピリトサント産アラビカコーヒーもまさしく”山のコーヒー”となります。その厳しい気候風土はスペシャルティコーヒーを育むのに十分なポテンシャルを有し、近年、世界的にもスペシャルティコーヒーの名産地として知名度を大きく上げています。セミウォッシュド製法により甘みを強く感じるテイストです。深煎りで、香ばしさ・柔らかな苦み・コクのバランスがよく、ビターチョコの甘さを感じ、クリーミーなのど越し。カフェオレにも良く合います。
品種 | 主にCatuaiが中心 |
製法 | Semi-washed(セミウォッシュド) |
産地 | ブラジル エスピリトサント州 南部の山岳地帯 |
標高 | 500-1,200m |
価格 | 生豆125g 900円、250g 1,710円、375g 2,565円 |
セミウォッシュド製法とは
セミウォッシュド製法は、ウォッシュド製法(乾燥させる前にたくさんの水を使って果肉を洗い流す製法)とナチュラル製法の“いいとこどり”の精製方法です。ウォッシュドで取り除く粘液をあえて残すことで水の使用量を抑えることができ、その結果、豆に残された粘着液が独特なアロマを生み、甘みの強いコーヒーとなります。
日本のUCCがサポートするサスティナビリティ
過去、エスピリトサント産のアラビカコーヒーには不遇の時代がありました。山岳地帯でコーヒーを生産するため、常にコーヒーの乾燥工程において天候(降雨)のリスク があり、ブラジルの伝統的なナチュラルコーヒーでは品質の劣化が避けらず、生産者は低価格での取引を余儀なくされていました。
大きな転機となったのは、2000年代初頭の所謂”コーヒークライシス”の中、転作等により荒れ果てていく山岳地帯を、伝統的なコーヒー生産で復活を志した行政と 民間が一体となって取り組みを始めたことからでした。行政は、各農家に品質改善のためビニールハウスの提供しました。また、販売の試みとして、日本のUCCに「 品質コンテスト」の開催を要請しました。これは2002年に実現し、以来、この地の品質をPRする場として今に続く現地の一大イベントに成長しています。UCCは2001年以来、このコンテストの開催とともに品質を高めるために生産者へノウハウを伝えるなど、技術支援も行ってきました。長年の取り組みは実を結び、エスピリトサント州の豆は地道にその品質を向上させ、2017年のCOE(Cup of Excellence:世界で最も有名なコーヒー豆の品評会)で初めて1位入賞するなど、スペシャルティコーヒーの名産地に肩を並べるまでになりました。
一方、コーヒーの加工方法も、加工機械の発展に伴い大きく変わりました。降雨を避け乾燥期間を短くする試みとして導入されたセミウォッシュド加工は、ブラジルらしい 甘みのあるコーヒーの特徴を残したまま、品質リスクを抑え込む役割を果たし、エスピリトサント産アラビカと言えばセミウォッシュドコーヒーと認知されるまでになりました。
こうして独自で高品質なコーヒーを安定的に作ることができるようになれば、そのコーヒーを高値で買いたいニーズも増えます。それは、産地、農家を始め、コーヒーに関わる全員にとって幸せなことです。UCCはこのような取組みを「サステナブルなコーヒー生産」だと考え継続的にサポートを続けています。
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