パナマとエチオピアに続くゲイシャ種として、コスタリカからゲイシャを入手しましたのでご紹介します。

コスタリカ ゲイシャ レッドハニー ドン・ホセ農園
ミルで挽くと、フルーツの盛り合わせのような華やかで甘い芳醇な香りが部屋中に広がりなんとも幸せな気持ちになります。口に含むとフルーツを思わせるジューシーな酸味に加え、ハチミツのようなしっかりとした甘さが余韻として感じられます。ゲイシャ種らしいフローラルな風味に加え、このコーヒーならではのフルーティさ・ユニークさが魅力です。口当たりや甘さ、余韻も素晴らしいので是非お楽しみください。ハイロースト(浅煎り)の香り・コク・甘みのバランスが良いと思いますが、甘酸っぱいコーヒーがお好きな方は、一段下げたミディアムロースト(浅煎り)でお楽しみ下さい。
推奨焙煎度:ハイロースト(浅煎り)
品種 | ゲイシャ |
精製 | レッドハニー |
地域 | タラス |
標高 | 1,950-2,100m |
価格 | 生豆125g(焙煎後100g) 3,500円、生豆250g(焙煎後200g) 6,650円 |


レッドハニーとは
商品名にあるレッドハニーとは、レッドハニー製法(プロセス)というコーヒーの精製方法の一つで、コーヒーの甘味や果実感の風味が強く出ることが特徴です。レッドハニー製法では、コーヒーとなる種子についたミューシレージと呼ばれるネバネバした粘着質を取らずに残し、果肉もある程度残した状態で豆を乾燥させます。その為、果肉の風味が強くコーヒー豆に残ると言われています。ただ、果肉を残したまま乾燥をさせますので品質管理が大変で難しいです。頻繁に撹拌しないとカビますし、実際に管理が上手くいかずに変な発酵臭がするレッドハニーのコーヒーも見受けられます。特に中米のコスタリカで発達した方法で、同国では多くの農園が取り組んでいます。
ハニープロセスのパイオニア


このミルの経営者であるフアン・ラモン・アルバラード氏は、コスタリカ大学で熱帯植物学を専攻した農業技師です。アルバラード家は150年ものコーヒー栽培に携わってきた歴史ある名門農家として、セントラルバレーのコーヒー生産を支えてきました。
そして、ブルマス・デル・スルキ マイクロミルを2000年に設立し、ハニープロセスを生み出したパイオニアとして、ファン・ラモン氏の名前は数多くの人々に知られています。4つの火山に囲まれているセントラルバレーですが、ミルのあるエレディアというエリアは、住宅街で非常に都会にある珍しいミルでもあります。収穫期である12月~3月ごろには、町を見下ろすなだらかな丘陵に風が吹き抜け、コーヒーの乾燥に大きく寄与している事が特徴です。
エレディアでのコーヒー生産

ハニープロセスのパイオニアとして、イエロー、レッド、ブラックなどハニープロセスを細分化し研究を重ねてきたブルマス・ミル。彼らは、プロセスと共に収穫するチェリーの均一さ、そしてチェリーの糖度にこだわっています。チェリーの収穫精度は、クリーンカップやアフターテイストの明瞭さを高め、糖度はコーヒーの風味と甘さの豊かさを生み出すとファン・ラモン氏は言います。
こうしてセントラルバレー、エレディアを拠点としてコーヒー生産を行ってきたブルマスですが、首都サンホセの近郊にあるこの土地では年々宅地開発等が進み、地価が著しく上昇。農園経営が大きく圧迫されることとなりました。ミルを設立して10年を迎えたばかりの頃でした。
このままコーヒー農園をエレディアで続けていくためには、ゲイシャやSL品種など高付加価値なコーヒーの生産、そして農園の縮小にシフトせざるを得ず、次第にブルマスのコーヒー生産は縮小していきました。
タラスでの生産


ブルマスがこうした問題を抱えている中で、新しい土地でコーヒー生産を続けていこうとタラスに土地を購入し、2012年から植樹を始めたのが、このドン・ホセ農園です。
もともとマイクロミル・レボリューションの先駆者でもあったファン・ラモン氏だからこその大きな決断でもあり、これからはより標高の高い地域でのコーヒー生産がフォーカスされると、タラスの標高1950m~2100mの高地での生産を開始しました。当時は2000m級の農園は数えるほどで、まだまだコーヒー生産は困難な土地と言われていましたが、タラスに暮らす友人農家たちの活躍とその風味に新しい可能性を見出します。
ドン・ホセには自身がセントラルバレーで最も自信を持って生産していたヴィジャサルチを植樹し、その後ブルボンやSL28、試験的にゲイシャを新植しました。気候も土壌も全く異なる地域でのコーヒー生産は、経験豊かな農業技師であるファン・ラモン氏だからこそ乗り越えることが出来た挑戦でもあり、ブルマスのアイデンティティーを絶やす事なく輝き続けています。
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